懸賞SA 解答と解説
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懸賞SA 解答 2025年10月号
問1 正解: 3
報道の⾃由は、表現の⾃由を定める憲法21条の保障の下にあり、その前提となる取材の⾃由も、憲法21条の精神に照らして、⼗分尊重に値するものとされている(最⼤決昭44.11.26)。
問2 正解: 1
あらかじめ拳銃を取り出しておくことは、あくまで使⽤のための準備⾏為であり、警職法7条にいう「使⽤」には当たらない。なお、⼈に向けて拳銃を発射する場合は、⼈に危害を与える態様による使⽤であるから、警職法7条ただし書に定める特別の要件を満たす必要がある。
問3 正解: 4
警察官が来るのを⾒て犯⾏を中⽌した場合は、中⽌未遂ではなく障害未遂である。中⽌未遂とは、「⾃⼰の意思により犯罪を中⽌したとき」(刑法43条ただし書)であり、これは、反省、悔悟、同情といった動機によってやめた場合に認められやすい。
問4 正解: 2
現⾏犯⼈と認められるのは、今まさに逮捕者の⽬前で犯罪の実⾏⾏為を⾏っている者、すなわち「現に罪を⾏っている者」に限られているわけではない。現⾏犯⼈とは、現に罪を⾏い、⼜は現に罪を⾏い終わった者をいい(刑訴法212条1項)、犯罪の実⾏⾏為を終了した直後の犯⼈等も含まれる。
問5 正解: 5
警察においては、秘密⽂書について、特別な管理及び取扱いをするのが通常である。現に、警察庁及び各都道府県警察にあっては、訓令等により秘密⽂書の管理及び取扱いに係る規定が定められている。
問6 正解: 1
「配偶者の暴⼒」とは、配偶者からの⾝体に対する暴⼒(⾝体に対する不法な攻撃であって⽣命⼜は⾝体に危害を及ぼすもの)に限られず、これに準ずる⼼⾝に有害な影響を及ぼす⾔動も含まれる(DV防⽌法1条1項)。
問7 正解: 3
新規転⼊者に対する巡回連絡は、その地域に応じた防犯指導連絡等の利便を図るため、できるだけ早期に⾏う必要があるが、何度も実施しなければならないというわけではない。
問8 正解: 4
捜索に当たっては、⽴会⼈⼜は特に許可を得た者以外は、その場所から退去させ、及びその場所に出⼊りさせないようにしなければならない(犯捜規147条)。
問9 正解: 2
道路における危険を防⽌し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必要があると認めるときは、信号機の表⽰する信号にかかわらず、これと異なる意味を表⽰する⼿信号等をすることができる(道交法6条1項)。この場合、歩⾏者等⼜は⾞両等は、警察官等の⾏う⼿信号等に従わなければならない。
問10 正解: 5
旧暦で12⽉の呼び名は「師⾛(しわす)」である。なお、旧暦の⽉の呼び名を和⾵⽉名というが、これは旧暦の季節や⾏事に合わせたものなので、現在の季節感とは1〜2か⽉ほどのずれがある。
懸賞SA 解答 2025年9月号
問1 正解: 1
表現活動は、本質的に社会的な性格を有することから、他の法益との関係において制約を受けることがある。例えば、交通秩序を維持するための道路使用規制、公共の安全に対する危険を防止するためのデモ規制など、公共の利益との調整を図るため、表現の自由について様々な規制が行われている。
問2 正解: 4
警職法6条の立入りに際して、身分を示す証票を提示する必要があるのは、その場所の管理者又はこれに準ずる者から要求された場合に限られている(同条4項)。よって、必ず提示しなければならないわけではない。
問3 正解: 3
犬を傷つけようとして投げた石が誤って子供に命中した場合、犬に対する器物損壊の結果は生じていないので、器物損壊罪は成立しない。なお、子供に対する傷害の結果は生じているが、器物損壊罪と傷害罪の両構成要件の間には重なり合いが認められないため、傷害の故意は否定されるものの、過失が認められるのであれば過失傷害罪が成立することとなる。
問4 正解: 2
緊急逮捕ができるのは、罪を犯したことを疑うに足りる「十分な理由」がある場合に限定されている(刑訴法210条1項)。これは、通常逮捕の「相当な理由」(刑法199条1項)よりも嫌疑の程度が高い場合とされている。
問5 正解: 5
重大な個人情報の漏えいが生じたときは、個人情報保護委員会に報告することが義務づけられており、また一定の例外を除き、本人に対しても通知しなければならない(個人情報保護法68条)。
問6 正解: 5
規制対象行為となるのは、相手方の承諾を得ないで、相手方の所持する物にGPS機器等を取り付ける行為である(ストーカー規制法2条3項2号)。
問7 正解: 2
犯罪手口の特性としては、一定の型に固定する傾向がある、容易に変更されない、同一手口を反復するなどが挙げられる。犯罪者は、安全かつ容易に犯行に及ぶべく、一定の型にはまった手段・方法を繰り返すからである。
問8 正解: 1
身体に保有されるアルコールの程度にかかわらず、酒気を帯びて車両等を運転することは一切禁止されている(道交法65条1項)。そのうち、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転した場合と身体に一定程度以上にアルコールを保有する状態で運転した場合について、罰則が定められている(同法117条の2第1項1号、117条の2の2第1項3号)。
問9 正解: 4
中核派の機関紙は「前進」であり、その内容を解説しているのは「前進チャンネル」である。中核派(党中央)は、令和6年中も「革共同を青年・学生の党として建設し、『連帯し、侵略を内乱へ』を切り開く24年決戦へ進撃しよう」などと訴え、引き続き若者の獲得に向けた取組を行った。
問10 正解: 3
令和7年7月末日現在、日本からは 文化遺産21件、自然遺産5件の 計26件の 世界遺産が 登録されているが、伊勢神宮は含まれていない。
懸賞SA 解答 2025年8月号
問1 正解: 2
国籍離脱の 自由は 、居住・ 移転の 自由や 職業選択の 自由、財産権などとともにされる憲法上の権利である。
問2 正解: 1
犯罪の予防のための警告は、被害者となり得る者その他関係者に対してもすることができる。この警告は、犯罪行為を行おうとする者に対して行わないよう求めるのが一般的であるが、被害を受けそうな者に対してその場を立ち去るよう指導することなども、その一態様であることに注意を要する。
問3 正解: 4
心神耗弱者とは、責任能力がない場合(責任無能力者)ではなく、一般人よりもそれが劣る場合(限定責任能力者)をいう。心神耗弱者が違法行為を行った場合は、犯罪が成立して処罰されるが、責任の度合いが弱いため、必ず刑を減軽しなければならないこととなっている(刑法39条2項)。
問4 正解: 5
逮捕状の緊急執行は、通常逮捕に係る逮捕状を提示できない場合の緊急措置であるから、通常逮捕の一態様とされている。緊急性を要件とし、逮捕後に逮捕状を提示することになる点で緊急逮捕と共通するが、逮捕時に既に逮捕状が発付されている点において、緊急逮捕とは大きく異なっている。
問5 正解: 3
警察から国民等に情報を届ける「狭義の広報活動」の方法には、直接広報活動と間接広報活動の2つがあるところ、直接広報活動は警察自ら行うものであり、間接広報活動は報道機関による報道等を介して行うものである。
問6 正解: 3
加害者の行為が刑罰法令に抵触する場合は、被害者に被害の届出の意思がないときであっても、過去の事例から被害者のみならず親族等にまで生命の危険が及び得ることを十分説明した上で、必要に応じて被害者を説得するなど、被害の届出を働き掛ける。
問7 正解: 4
警察用自動車による 警らにおいては、心にゆとりを持ち、優先意識を払拭した上で、自己の運転技能を過信することなく、正しい乗車姿勢で模範的な安全運転を行う。
問8 正解: 1
裁判員裁判対象事件は、取調べの録音・録画の対象事件である。取調べの録音・録画制度は、裁判員裁判対象事件と検察官の独自捜査事件について、逮捕・勾留されている被疑者の取調べ又は弁解録取を行う際に、原則として、取調べの全過程を録音・録画しなければならないという制度である。
問9 正解: 2
車両等が継続的に停止していれば、原則として駐車に当たる。駐車とは、車両等が継続的に停止(特定自動運行中の停止を除く。)していること、②運転者が車両等を離れていて直ちに運転できないことのいずれか一方を満たす車両等の停止状態であり、両方を満たす必要はないからである。
問10 正解: 5
一朝一夕とは 、わずかな日時のことである。例えば、「交通安全の意識、行動を一朝一夕に身につけることは困難である。」などと使う。
懸賞SA 解答 2025年7月号
問1 正解: 3
判例は「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、……許され(ない)」(最判平7.12.15)と判示している。
問2 正解: 4
警職法4条1項は、「警察官は、……特に急を要する場合においては、……その場に居合わせた者… …に対し、……自らその措置〔筆者注:危害防止のため通常必要と認められる措置〕をとることができる。」と規定し、警察官が直接必要と認められる各種措置をとることができることとしている。
問3 正解: 2
緊急避難における危難は、人の行為でなくてもよい。発生原因を問わないため、犬などの動物の行動や自然現象などであっても、急迫性があれば「現在の危難」(刑法37条1項)に該当する。なお、正当防衛における「急迫不正の侵害」(刑法36条1項)は、人の違法な行為でなければならない。
問4 正解: 5
逮捕状は、命令状ではなく許可状であり、逮捕状が発付されたからといって、必ず逮捕しなければならないわけではない。逮捕状が発付されても、その後の事情の変化により逮捕の必要性がないと認めるときは、逮捕すべきではない。
問5 正解: 1
苦情は 、警察職員の 職務執行に 関する 不服や 不平不満であり 、違法・ 不当な 職務執行に 対するものに限られず、適法・妥当な職務執行に対するものも含まれる。
問6 正解: 5
学校におけるいじめ事案は、人身安全関連事案とはされていない。人身安全関連事案は、人身の安全を早急に確保する必要の認められる事案であり、枝文以外には高齢者虐待事案、障害者虐待事案等がある。
問7 正解: 4
取調べに 当たっては、被疑者の利益となるべき事情をも明らかにするよう努めなければならない(犯捜規167条3項)。
問8 正解: 2
緊急自動車の優先通行が定められているのは、交差点又はその付近に限られていない。交差点又はその付近以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄って、これに進路を譲らなければならないものとされている(道交法40条2項)。
問9 正解: 1
大衆運動においては、全ての行動が無制限に許されるわけではない。集会、結社、表現等の自由の具体的な現れとして、大衆運動は憲法21条で保障されているが、常に公共の福祉との調和が要求される。
問10 正解: 3
新渡戸稲造は、昭和59年発行開始の五千円札の肖像として描かれており、同時期に千円札の肖像となったのは、夏目漱石である。なお、聖徳太子は、戦中・戦後を通じて7回も紙幣の肖像となっている。
懸賞SA 解答 2025年6月号
問1 正解: 2
基本的⼈権は、侵すことのできない永久の権利であるが、絶対無制限の権利ではない。基本的⼈権が、他の個⼈の権利や社会全体の利益との調整を図るために制限されるということを、憲法では「公共の福祉」という⾔葉を使って表している。
問2 正解: 3
適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる病⼈や負傷者については、本⼈が拒んだ場合には保護することができない(警職法3条1項2号)。なお、精神錯乱者や泥酔者については、本⼈が拒んだ場合でも強制的に保護することができる(同項1号)。
問3 正解: 5
正当防衛は「不正な侵害」に対して⾏うものである。正当防衛⾏為は正当⾏為であり「不正」ではないので、正当防衛⾏為に対して正当防衛を⾏うことはできず、緊急避難の余地があるだけである。
問4 正解: 4
緊急逮捕の逮捕状請求権者は、検察官、検察事務官⼜は司法警察職員であり(刑訴法210条1項)、司法巡査も請求することができる。なお、通常逮捕の逮捕状請求権者は、検察官⼜は司法警察員であり、警察官たる司法警察員については、公安委員会が指定する警部以上の者に限られる(同法199条2項)。
問5 正解: 1
賭博をすることは、減給⼜は戒告の処分とされている。なお、単純賭博の刑事罰は、50万円以下の罰⾦⼜は科料である(刑法185条)。
問6 正解: 1
⾏⽅不明者とは、⽣活の本拠を離れ、その⾏⽅が明らかでない者をいい、本⼈の意思によって⽣活の本拠を離れた者に限られない。したがって、犯罪、事故等本⼈の意思によらない事情によって⾏⽅不明となっているおそれのある者も、⾏⽅不明者として取り扱うこととなる。
問7 正解: 3
地域警察運営規則の改正により、⾒張りについては「施設内の適当な場所に位置して、椅⼦に腰掛けて警戒する」(18条2項)ものとされており、必ずしも交番等施設内の出⼊⼝付近に位置して⾏うことを要しない。
問8 正解: 4
街頭で逮捕する場合は、できるだけ⼈通りの少ない場所で、⼈⽬につかないようにして逮捕することが必要である。
問9 正解: 5
⾞両は、横断歩道の設けられていない交差点においても、道路横断中の歩⾏者の通⾏を妨げてはならない(道交法38条の2)。すなわち、交差点とその直近は歩⾏者の横断が多いため、横断歩道が設けられていなくても、歩⾏者による横断のための通⾏を妨げないことが義務付けられている。
問10 正解: 2
国連安全保障理事会の常任理事国は、中国・フランス・ロシア・イギリス・アメリカであり、ドイツは含まれていない。なお、国連安全保障理事会は、常任理事国5か国と⾮常任理事国10か国で構成されており、⽇本は令和5年初めから令和6年末までの2年間、⾮常任理事国の任期を務めた。
懸賞SA 解答 2025年5月号
問1 正解: 1
公務員も、憲法で保障される基本的人権の享有主体である。しかし、「全体の奉仕者」としての地位にあり、その活動が公共の利益に著しい影響を及ぼすこととなるから、その基本的人権は、公共の利益を確保するため必要とされる限度で一定の制約を受ける。
問2 正解: 4
証拠品の収集のために凶器捜検を行うことはできない。凶器捜検は、あくまで警察官の危険防止と被逮捕者本人の自傷防止のために認められているものであり、証拠品の収集や身体の検証のために身体を検査する必要がある場合は、刑訴法上の捜索・差押え等の処分として行わなければならない。
問3 正解: 5
甲の暴行によりAの死因となった傷害が形成された場合は、仮にその後、第三者から加えられた暴行によって死期が早められたとしても、甲の暴行とAの死亡との間の因果関係を肯定することができる(最決平2.11.20)。
問4 正解: 2
被害者の法定代理人は、被害者の意思に反する場合であっても告訴をすることができる。法定代理人については、独立して告訴することができるとされており(刑訴法231条1項)、ここでいう「独立して」とは、被害者本人の明示・黙示の意思表示に拘束されないことを意味する。
問5 正解: 3
国家公務員法及び地方公務員法が定める懲戒処分の種類は、免職・停職・減給・戒告の4種類である。「降任」は、分限処分の種類の一つであり、職員をその職員が現に任命されている職より下位の職制上の段階に属する職に任命する処分をいう。
問6 正解: 4
酩酊者規制法3条1項による酩酊者の保護も、警職法3条1項1号による泥酔者の保護と同様に即時強制であって、本人の意思にかかわりなく、強制力を行使して行うことができる。
問7 正解: 2
遺留品、その他の現場資料は、犯罪の行われた場所のみにあるとは限らない。そのため、現場観察はできるだけ広い範囲にわたって実施し、現場周辺に存在する資料を漏れなく発見しなければならない。
問8 正解: 5
特例特定小型原動機付自転車とは、特定小型原動機付自転車のうち、最高速度表示灯を点滅させること、時速6kmを超える速度を出すことができないこと等の基準を満たすものをいう。なお、乗車用ヘルメットの着用については、全ての特定小型原動機付自転車の運転者に努力義務が課されている。
問9 正解: 3
日本共産党の本拠は、「東京都千代田区霞が関」ではなく「東京都渋谷区千駄ヶ谷」に所在する日本共産党本部に置かれている。なお、平成17年2月に、現在の党本部ビルが竣工したという経緯がある。
問10 正解: 1
「Ctrl+A」は、全ての項目を選択するショートカットキーであり、選択した項目をコピーする場合は「Ctrl+C」によって行う。
懸賞SA 解答 2025年4月号
問1 正解: 4
外国人による入国の自由について、判例(最大判昭53.10.4)は、憲法22条1項で保障されている居住・移転の自由には含まれず、国際慣習法上と同じく、憲法上も保障されているものではない旨判示している。
問2 正解: 3
同行要求ができるのは、その場で質問をすることが本人に対して不利である場合、又は交通の妨害となる場合のいずれかをもって足りる。
問3 正解: 1
まだ犯罪の実行を決意していない他人を唆(そそのか)して、特定の犯罪を実行させるのは、教唆犯である。また、間接正犯は、他人を道具として利用し犯罪を実現するものであるが、ここで実現されるのは、あくまで自己(本人自身)の犯罪である。
問4 正解: 2
捜査の端緒は、刑訴法その他の法律に定められているものに限られない。例えば、新聞その他出版物の記事、インターネット上の情報、第三者による通報・投書など、法律上の規定がなくても、捜査の端緒となり得る。
問5 正解: 5
感謝状は、所定の事項について、功労があると認められる警察部外の者又は団体に対して授与するものである。なお、警察職員として功労があり、若しくは成績が優秀であると認められる者に対して、又は業績が優秀であると認められる部署に対して授与するものは、賞誉である。
問6 正解: 1
親族が起こした事件・事故に対する示談金等を名目に金銭等をだまし取るといった手口を使うのは、オレオレ詐欺である。キャッシュカード詐欺盗の手口は、警察官等を装って電話をかけ、被害者にキャッシュカード等を準備させた上で、隙を見るなどしてそれを窃取するというものである。
問7 正解: 5
地域警察官は 、原則として 警察署長の 定めた 勤務基準により 勤務を 行うが 、勤務基準を 形式的に 適用した場合に生じる不都合に対処すべき場合については、勤務変更がなされることとなる。
問8 正解: 4
犯人は、犯行前に時間待ちした場所や逃走途中に潜伏した場所等に、不用意に種々の証拠となる資料を遺留することがあるので、現場保存は、犯罪の行われた地点だけでなく、犯行前後の行動を推定して広範囲に実施することが必要である(犯捜規87条)。
問9 正解: 2
道路標識又は道路標示により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分は、横断歩道である(道交法2条1項4号)。安全地帯とは、路面電車に乗降する者若しくは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又は道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分をいう(同項6号)。
問10 正解: 3
凡例の 正しい 読み 方は 「はんれい」であり、書物の編集方針や使用方法、独自記号や略語の意味などを説明した部分のことをいう。
懸賞SA 解答 2025年3月号
問1 正解: 2
国際権と呼ばれる基本的人権は存在しない。憲法の定める基本的人権の種類としては、自由権(精神的自由・経済的自由・人身の自由)、参政権、社会権、受益権、法の下の平等(平等権)、幸福追求権などがある。
問2 正解: 5
具体的な法律の規定がなくても、外部から何ら異常が現認できない車両に対して、警察の責務(警察法2条)を達成するための任意活動として停止を求めることは可能である。判例も、そのような車両を対象とした交通検問について、一定の要件を示した上で適法なものとしている(最決昭55.9.22)。
問3 正解: 3
不退去罪(刑法130条後段)や多衆不解散罪(同法107条)は、不作為の形式で構成要件が定められているので、真正不作為犯の例である。不真正不作為犯は、通常は作為により実現される構成要件を不作為により実現する場合であり、問題となる犯罪としては、殺人罪(同法199条)、詐欺罪(同法246条)、放火罪(同法108条等)などに限られている。
問4 正解: 1
刑訴法39条によって接見交通権が認められているのは、「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者」であり、全ての被告人又は被疑者に対して同条の接見交通権が認められているわけではない。
問5 正解: 4
公の選挙において投票するように勧誘運動をすることは、職員の所属する地方公共団体の区域内に限って禁止されている(地公法36条2項1号)。なお、政党その他の政治的団体について、結成に関与すること、その役員となること、その団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすることは、区域の内外を問わず禁止されている(同条1項)。
問6 正解: 2
万引きの被疑者の年齢層は、少年から高齢者まで幅広く、若年層に集中しているわけではない。特に、検挙人員全体に占める65歳以上の高齢者の割合は高い水準にあり、少年の検挙人員を大幅に上回っている。
問7 正解: 1
捜査機関に対して犯罪事実を申告するという点では、告訴・告発と被害届は同じである。もっとも、告訴・告発は犯罪事実の申告にとどまらず、犯人の処罰を求める意思の存在を要するという点で、被害届とは異なる。
問8 正解: 3
逃走車両の追跡時は、常に一定の速度と方法で運転するのではなく、道路、天候、交通状況に応じた速度と方法で運転しなければならない。
問9 正解: 5
警備犯罪は、全国的な波及性を持つ場合が多く、ある地域で発生した警備犯罪は、同じような社会的条件の下にある他の地域や国に対してもすぐに波及する性質を持っている。なお、特定の団体による組織的な活動の一環として行われる場合が多いとする点については、枝文は正しい。
問10 正解: 4
愛媛県の県庁所在地は松山市であり、松江市は島根県の県庁所在地である。
懸賞SA 解答 2025年2月号
問1 正解: 3
天皇は、国事に関する行為を行うが、国政に関する権能は有していない(憲法4条1項)。天皇は、日本国の象徴及び日本国民統合の象徴であり、いかなる政治的な地位も有しないことから、その権能も、象徴たる地位にふさわしい形式的、儀礼的なものに限られている。
問2 正解: 4
個別の法律の根拠がないからといって、相手方の承諾のない所持品検査が全て許されないというわけではない。承諾のない所持品検査であっても、捜索に至らないもので強制にわたらない限度であれば、そのような所持品検査が適法とされる場合もある(最判昭53.6.20)。
問3 正解: 2
犯罪が成立するためには、必ずしも人が積極的に一定の動作をすることを要しない。犯罪は人の「行為」でなければならないが、積極的にある動作をすること(作為)に限らず、ある動作をしないこと(不作為)も、ここでいう「行為」に含まれるからである。
問4 正解: 5
被疑者も、国選弁護人の選任を請求することができる(刑訴法37条の2)。なお、かつては対象事件が限定されていたが、現在は被疑者に対して勾留状が発せられている全ての事件が対象となっている。
問5 正解: 1
職員の非違の責任を追及することを目的とした不利益処分は、懲戒処分である。分限処分とは、公務能率の維持を図るために行う不利益処分であり、制裁としての性質を有しない点で、懲戒処分と区別される。
問6 正解: 3
犯罪が発生した場合に、犯罪現場及びその周辺において行う防犯活動は、現場防犯である。防犯診断とは、各種犯罪を防止する目的から、一般住宅、アパート・マンション、特定の建造物等について、構造、設備、錠その他の状況を防犯上の観点から点検することをいう。
問7 正解: 2
地域警察は「全ての」警察事象に即応する活動を行う。すなわち、地域警察が事件、事故、災害等全ての警察事象に対して、初動的な措置を行い、その後に、刑事、交通等特定の警察事象に対応する他の警察部門に引き継がれることとなる。
問8 正解: 1
被害の届出は即時受理が原則であるが、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合については除外される。
問9 正解: 5
住民に対する交通安全教育の実施は、都道府県公安委員会の責務とされている(道交法108条の27)。
問10 正解: 4
G7サミットとは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7か国及び欧州連合(EU)の首脳による国際会議である。冷戦終結後は、ロシアを加えたG8サミットが開催されてきたが、ウクライナ情勢に伴うロシアの参加停止により、平成26年以降は再びG7サミットとなっている。
懸賞SA 解答 2025年1月号
問1 正解: 2
国民が代表を選任し、その代表を通じて国家の意思を決定する制度は、間接民主制である。なお、憲法は、国民主権を実現する方法として間接民主制を採用しているが、憲法改正の国民投票(96条1項)などについては、国民の意思を直接問うこととしており、直接民主制を一部採用している。
問2 正解: 4
職務質問は、犯罪捜査の一環として行われる場合もある。指名手配被疑者に酷似した者に対して、その者が手配された者と同一であるか否かを確認するために質問をすることは、その一例である。
問3 正解: 1
罪刑法定主義は、我が国においては旧刑法2条で初めてこの原則が明言された。次いで、旧憲法23条がこの原則を規定し、現行憲法も31条、39条において、罪刑法定主義に関する明文規定を置いている。
問4 正解: 3
捜索差押許可状の請求権限は、検察官、検察事務官又は司法警察員に付与されており(刑訴法218条4項)、司法巡査には認められていない。なお、各種令状の請求権限のうち、司法巡査にも認められているのは、緊急逮捕状だけである(刑訴法210条1項、犯捜規120条1項)。
問5 正解: 5
国家公務員法や地方公務員法の諸規定により、公務員の義務が存するところ、公務員がこの義務に違反した場合には、当該公務員は法律的制裁を受けることになる。例えば、地方公務員による一定の義務違反に対しては、懲戒処分(戒告、減給、停職又は免職)が行われる(地公法29条)。
問6 正解: 3
災害発生時における住民の避難誘導等の部隊活動は、警備警察による主要な業務の一つである。
問7 正解: 4
捜査に当たっては、自己の能力を十分に発揮しなければならないが、独断専行は許されるものではない。幹部の指揮の下、与えられた任務を忠実に遂行し、常に組織の力により総合的に進めていく必要がある。
問8 正解: 1
交通事故の被害者等に対する被害者連絡は、事件を担当する捜査員が捜査の初期段階から事案概要や捜査経過等の連絡を行うものであり、捜査終了後に捜査結果の連絡を行えば足りるものではない。
問9 正解: 2
警備警察活動は、主義主張そのものを対象とするものではなく、あくまで政治的主張等の下に行われる違法行為等を対象とするものである。したがって、その取締りやこれに関連する情報収集等を行ったとしても、警備警察活動の政治的中立性が損なわれることにはならない。
問10 正解: 5
平成の天皇誕生日は12月23日であったが、現在は祝日とはなっておらず、「平成の日」は存在しない。なお、昭和の天皇誕生日であった4月29日は、平成元年に「みどりの日」とされたが、後に「昭和の日」に変更された。これに伴い、「みどりの日」はGW中の5月4日に変更されている。
懸賞SA 解答 2024年12月号
問1 正解: 5
報道の自由は、重要な人権であるものの、絶対無制約に保障されるわけではなく、他の重要な法益との関係で制約を受ける場合がある。報道が名誉毀損罪による処罰の対象となり得ることも、その一例である。
問2 正解: 1
警察の責務を達成するに当たり、警察官の活動について個別の法律によって権限が与えられる必要があるのは、国民の権利・自由を制限する場合である。したがって、国民の権利・自由を制限するには至らない行為については、必ずしも個別の法律の根拠を要するわけではない。
問3 正解: 3
殺人とその死体の遺棄との間には牽連犯の関係はなく、併合罪となる。牽連犯となるためには、犯人が主観的に手段・目的又は原因・結果の関係において数罪を犯したというだけでは足りず、その数罪間に罪質上、通例として、手段・目的又は原因・結果の関係が存在しなければならない。
問4 正解: 2
被疑者の勾留は、その請求権者が検察官に限られている。なお、勾留請求の制限時間については、司法警察職員が逮捕した場合は司法警察員から送致を受けたときから24時間以内に、検察官が自ら逮捕した場合や検察事務官から被疑者を受け取った場合は身柄を拘束したときから48時間以内に行わなければならないものとされている(刑訴法204条1項、205条1項)。
問5 正解: 4
準遺失物とは、誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう(遺失物法2条1項)。
問6 正解: 5
認定の有効期間が満了したときは、その効力が失われることになるから(警備業法7条5項)、警備業者は、有効期間の満了後も警備業を営もうとするときは、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に有効期間の更新を申請し、その更新を受けなければならない(同条1項)。
問7 正解: 1
巡回連絡は、防犯や交通事故防止上の指導連絡等相手方の生命、身体の保護をはじめとした警察の責務を達成するために行うものであり、私生活に立ち入る事項についてはみだりに触れないようにする。
問8 正解: 3
手口記録は、原則として被疑者を取り調べた警察官が作成する。なぜなら、取調べに当たらない警察官が作成すると、犯罪手口の詳細な点や犯人を特定するための事項等が記録漏れになることが多いからである。
問9 正解: 4
信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置することは絶対的に禁止されており(道交法76条2項)、道路使用許可の対象行為(同法77条1項各号)ではない。
問10 正解: 2
スカッシュは、2028年開催予定のロサンゼルス大会で実施される追加競技であり、パリ大会の競技種目ではない。なお、開催地が追加競技を提案できる制度は、2021年に開催された東京大会から導入されている。
懸賞SA 解答 2024年11月号
問1 正解: 4
通信の秘密が保障される範囲は、その趣旨がプライバシーの保護であることに鑑み、通信の内容だけでなく、通信の存在自体に関する事柄、すなわち、信書の差出人・受取人の住所・氏名、通話の発信人・受取人、通話の日時など、通信に関する全ての事項に及ぶ。
問2 正解: 5
警職法4条による措置命令の相手方は、当該命令に従う法的義務を負う。なお、警職法はこれに反した場合の規定を設けていないが、状況によっては、軽犯罪法1条8号(変事非協力の罪)が適用されることになる。
問3 正解: 3
真正身分犯とは、犯人の身分によって構成すべき犯罪をいい、不真正身分犯とは、身分によって特に刑の軽重がある犯罪をいう(刑法65条)。偽証罪は、その主体を「法律により宣誓した証人」という身分がある者に限定していることから、収賄罪と同じく、真正身分犯の例である。
問4 正解: 1
事件送致の権限を有するのは司法警察員であって、司法巡査には送致権はない(刑訴法203条、246条、少年法41条)。送付についても同様である(刑訴法242条)。
問5 正解: 2
「全ての情報システム」とはいえない。警察情報システムとは、①警察庁が設置する情報システム、及び②都道府県警察が設置する情報システムのうち、警察庁が設置する情報システムと接続されているものをいう。
問6 正解: 4
刑法177条に規定されている肛門性交や口腔性交等の性交類似行為をすることは、売春防止法にいう「性交」には含まれない。
問7 正解: 5
捜査中の事件について、他の警察に対して協力を求め、当該事件の捜査上参考となる事項の通報を受けることを目的として行われるのは、事件手配である。参考通報は、他の警察に関連する犯罪事件について、その被疑者、証拠物その他捜査上参考となる事項を発見したときは、直ちに適当な措置をとり、その旨を当該警察に通報する制度である(犯捜規39条)。
問8 正解: 3
都道府県公安委員会は、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがない場合など、道路標識等による交通規制をすることが困難なときは、所定の警察官の現場における指示により、一定の交通規制を行うことができるが(道交法4条1項後段)、警察署長にこれを行わせることはできない。
問9 正解: 2
警護は、人為的な危害のみならず、自然発生的な危害(火災、地震、津波、建造物の損壊等)を含むあらゆる危害から警護対象者の身辺の安全を確保するための警察活動をいう。
問10 正解: 1
世界の陸地は、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸、北アメリカ大陸、南極大陸の6大陸と多くの島々から成り立っている。この点、南極は大陸である一方、北極に陸地はない。